妊娠中から産後にかけて現れるお腹の黒ずみ。乳首・脇・お腹・おしりを中心に、黒ずんでいる産後ママは多くいます。『どうして黒くなるのかが不思議ですよね?』
今まで黒くなったことがない部分が黒くなると早く戻したいという気持ちになり、ごしごし強く洗ったり、こすったりして刺激を与えてしまうことも多いのです。しかし、それは絶対にやってはいけないこと!
妊娠から産後にかけて起こる黒ずみは、正しいケアをしないと逆に悪化してしまう可能性が高くなります。
わたしも産後の黒ずみを3回も経験しているので、できるだけ早くお腹の黒ずみを消したい気持ちは分かります。
「なぜ妊娠中や産後にお腹が黒くなるのか?」「どうすればキレイなお腹に戻るのか?」
この記事では、妊娠中と産後の黒ずみのケアと対策の全てをお伝えしていきます。
産後にお腹が黒い原因は?
産後にお腹が黒ずんでしまうのは肌の色素沈着によって起こります。一体、肌の色素沈着とはどういうことか?
色素沈着とは肌への刺激により、皮ふの1番外側の表皮に存在するメラノサイトという色素細胞から過剰に分泌されたメラニン色素が、表皮や表皮の内側にある真皮に沈着すること。
少し難しい言葉がでてきましたが簡単に言うと、産後は女性ホルモンの影響によりメラニン色素が多くなるため黒くなるということです!
肌は刺激を感じるとメラニン色素を作って肌を守ろうとします。夏の暑い季節に強い日差しに当たると、茶色く肌の色が変わりますよね?
そして、夏が過ぎて時間の経過とともに肌の色は元の色へと戻るのですが紫外線を浴び続けたり、肌のターンオーバー(肌の代謝)がしっかり行われないと、メラニン色素が沈着したままで色が戻らなくなり、シミや黒ずみとして肌に現れるのです。
出産前後はこの2つの女性ホルモン、
・エストロゲン
・プロゲステロン
※胎盤の発達や子宮の形成など、妊娠中のお腹の成長維持にとって重要なホルモン
この2つの女性ホルモンの影響でメラニン色素が刺激されて増えてしまうことにより、色素沈着が起こりやすくなってしまうということを覚えておきましょう!
産後のお腹を黒くするのはこの妊娠中の女性ホルモンの影響だけではなく、先ほどお伝えした肌のターンオーバー(肌の代謝)も大きく関係します。
ホルモンバランスの変化によってメラニン色素が増えることで色素沈着が起こるのですが、肌のターンオーバー(肌の代謝)のサイクルが良ければ色素沈着を防ぐことができます。
しかし、肌のターンオーバー(肌の代謝)に影響を与える原因はいくつもあります・・・
⑴ストレス
産後は回復しきっていないカラダと慣れない育児により、自分が思っている以上に体はストレスを感じています。更に、ホルモンバランスが崩れていることで自立神経が乱れやすく、精神的に不安定になりやすい状態に。
これらのストレスがお肌に大きな影響を与え、肌トラブルの原因になっていることも覚えておきましょう!(ストレスにより、肌のターンオーバーがスムーズにいかなくなる)
運動不足
妊娠中から産後にかけての運動不足により、カラダの血液循環は良くない状態に。血液循環が悪ければ肌の代謝がスムーズに行われないことはなんとなく想像できますよね?
妊娠前・妊娠中と、産後のカラダの状態に向けて運動することを意識し、筋肉を鍛えていた人は何もしていない人に比べて、新陳代謝・肌代謝が上がりやすく、色素沈着が起きて黒ずんでもスムーズに戻りやすいのです。
日ごろからカラダを動かしている人は、健康的なイメージが持てますよね?それは、血液循環のめぐりがいいのでその結果、新陳代謝などのカラダの機能と肌の代謝も上がり黒ずみ予防にもなります。
⑵食生活の乱れ
食生活の乱れの原因は、産後のストレスと睡眠不足からくることがほとんど。カラダをしっかり休めることができていて調子が良いと、食べ過ぎてしまうこともなく今の自分に必要なものを食べれるような感覚になります。(産後には難しいですが・・・)
ストレスを解消するために食べてしまうことでカラダは消化しきれずに、脂肪として蓄えられる一方でカラダの代謝機能は落ち、肌の状態にも影響してしまうのです。
⑶寝不足
産後は十分な睡眠をとることができない産後ママがほとんど。それは、赤ちゃんの夜泣きであったり、慣れない育児で息つく間もないことが多いことが原因。
「睡眠不足はお肌に禁物!」一度はそんな言葉も聞いたことがあるはず。睡眠はただカラダを休ませるというだけではなく、起きているときにフル回転している脳を休め、代謝機能を整えるといった重要な役割も持っているのです。
睡眠は黒ずみの原因となっているホルモンバランスを整えることにおいて、欠かせないことの一つだということを忘れないでくださいね!
⑷冷え性(低体温)
低体温の人と体温が高い人と比べるとどちらが体の代謝、肌代謝がいいのかは分かり切ったことですよね?冷え性の人はカラダの血液循環が良くないため、手足などの末端に十分に血液が行き渡らず冷たくなります。
そして、問題のお腹も冷えることで血流と代謝にも影響し、黒ずみが起こりやすく、改善されにくい状態が作られることに。
冷え性の人は呼吸が浅い特徴があるので、酸素不足はストレスにもホルモンバランスにも大きく関わるということを覚えておきましょう!
産後の正中線も黒ずみの一つ?
妊娠中からうっすらと浮かび始める正中線も、ホルモンバランスが原因で起こる症状の一つ。この正中線はいきなり現れるものではなく、男女ともに生まれながらに持っているもの。
なので、産後に崩れているホルモンバランスを元の状態に戻すと自然に消えるので心配する必要はありません。
正中線を目立たなくするクリームもありますが根本の原因はホルモンバランスなので、ホルモンバランスを整えるように意識することが大切です!(正中線は薄くなっていくのであって、完全に消えてなくなるものではない)
妊娠中に脇が黒くなる原因は?
妊娠中は正中線やお腹の黒ずみだけでなはなく、脇の黒ずみが気になる人も多くいます。脇の下は色素沈着が起こりやすくメラニンが多い部分なので、黒ずみが起こりやすくなります。
これもホルモンバランスの影響。肌が乾燥しやすく敏感な状態になっているため、服がこすれたりと刺激が入ることで黒ずみが起こることに。
脇の下の黒ずみの予防は、肌を乾燥させないように保湿をすること!もう一つは、服による摩擦をできるだけ防ぐことが脇の下の黒ずみを予防する対策になるのです。
乳首や陰部が黒ずむ原因も、脇の下と同じ理由なのでケアの仕方も同じですね!
お腹の黒ずみケアと対策①ホルモンバランスを整える
産後お腹の黒ずみの原因がよく分かったところで、次は肝心なケアと対策です。
しっかりとケアと対策をすることで黒ずみは必ず改善されます!早速、具体的なケアと対策を見ていきましょう!
⑴生活習慣を整える
色素沈着を防ぐために肌のターンオーバー(肌の代謝)を高めること。肌のターンオーバーがしっかり行われていれば色素沈着が起こりにくく、黒ずみにはならないのです。
そこで、肌の代謝を高めるために血液循環を良くすることが重要。血液循環を良くするためには深い呼吸、水分補給、十分な栄養、睡眠の質。
どれも当たり前のことですが、この当たり前のことを意識することが最も大切なのです。生活習慣が崩れるとホルモンバランスは崩れるので、血液循環や肌代謝にも大きく影響します。
一日の中でどれだけこれらのことを意識するかで、黒ずみの改善するスピードが決まるいうことを忘れずに。
⑵水分補給
肌をなるべく乾燥させないことが黒ずみ予防と改善につながります。黒ずみ部分に対して外側からは保湿クリームによる保湿。内側からは水分をたっぷりとぬっての保湿ケアが肝心!
1日最低でも2リットル。授乳をしていれば、更に体内から水分が出ていくので理想は3リットルを目標にしましょう。
水分をとることは保湿効果を上げるだけでなく、基礎代謝を上げることにもつながるので痩せやすい体質をつくることができます。
ごくごく水分を飲むと体は一気に吸収できないので、一度口に含んでからちびちび飲むことを心がけましょう!
⑶十分な栄養
黒ずみをちゃんと改善するには皮ふが修復するための栄養が必要に。なので、ビタミンC・ビタミンB2・ビタミンB6が多く含まれている食べ物を選んで調理することがおすすめ!
もちろんたんぱく質やカルシウムも忘れてはいけない栄養素。産後は大きく変化したカラダの回復のためと、母乳で栄養が使われるためかなりの栄養が必要になります。
食事からすべてとることは正直難しいので、効率よく早く黒ずみを改善したいのであればサプリメントを飲むことも有効な方法!
お腹の黒ずみケアと対策②保湿クリーム
産後は妊娠中からの女性ホルモンの影響により、肌は乾燥しやすくなっている上に敏感な状態になっています。
肌の状態に気をつけなければ黒ずみを改善するどころか、どんどんひどくなって薄くなりにくくなってしまうことにもなりかねません。
黒ずみをキレイに戻すために保湿クリームで肌の保湿を徹底して行いましょう。1日に1回だけぬるのではなく、こまめに何回もぬるようにすることが肝心ですよ!
クリームをぬるときは横腹から中心にかけてお腹を引き締めるようにマッサージをすると、肌の代謝が上がりやすくなります。特に、肌が乾燥しやすいお風呂上がりはたっぷりとクリームをぬるように!
お腹だけでなく黒ずみが気になっている部分にもしっかりぬることが大切。
お風呂でカラダを洗うときは黒ずみをとりたいからとタオルでごしごし洗うことは絶対に避け、優しく手のひらで洗うようにしてくださいね!
産後のお腹のたるみを引き締めるにも保湿クリーム!
産後のお腹の黒ずみのケアと同時にできるのが、妊娠中から伸びた皮が原因のお腹のたるみ。
伸びたお腹の皮もしっかり保湿をして、肌のターンオーバー(肌の代謝)をいかに高めるかが大事!
お腹のたるみは放っておくとある程度は戻りますが、ちゃんとケアをしないと元のキレイなお腹には戻りません。
なので、お腹の黒ずみの改善と同時にお腹のたるみケアのダブル改善をして、産後のお腹をすっきりさせましょう!
産後の黒ずみは皮膚科に行くべき?
産後の黒ずみをどうにかしたいと皮膚科に行くことを考える人も少なくありません。
皮膚科に行くとハイドロキノンというシミ対策に使われる薬があり受診すると処方されるのですが、この薬は授乳中に飲むことはできないことも知っておくこと!美容外科によってはレーザー治療があり、気になる部分を照射し黒ずみを改善する方法もあります。
ただ、1回の照射は1部分で10万円近くするので自力で改善することをおすすめします。(黒ずみが濃い場合は1回では消えないことも多い)
どうしてもすぐに消したい場合はレーザーによる治療も手段の一つ。できるだけ肌に刺激と負担がかからない治療をしたいものです。
まとめ
妊娠中から産後にかけてホルモンバランスが崩れてしまう結果、メラニン色素が増え、色素沈着が起こりやすくなることで黒ずみは起こってしまいます。
「原因となるホルモンバランスをしっかり整えるながら十分な保湿をすること」
保湿クリームをたっぷりとぬり生活習慣を整え、肌のターンオーバー(肌の代謝)がしっかり行われる環境をつくることで、産後の黒ずみは問題なく、時間の経過とともに薄くなっていくのです。
妊娠前のような綺麗なお腹と肌に戻すには、原因に対していろんなケアや意識を持つことが大切だということ。そのために一つひとつのことを実践して、できるだけ早く黒ずみは改善しましょうね!